ヒトラーは意図的に大衆操作を行い、人々を煽動していた。
ナチス党ヒトラーは巧みに行動心理テクニックを用いて大衆をコントロールし、統一者としての地位を確立しました。
ヒトラーはマインドコントロールに長け、心理操作テクニックを操っていました。。計算し尽くされた技でセルフプロデュースをし、ブランディングを高め、影響力をつけて行ったのです。
※ヒトラーを尊敬しているわけでもありませんし、崇めているわけでもありません。彼が利用した心理技術をビジネスに移植し、より良い商品が売れて行くことを目的として書いています。どんなテクニックも使い方のモラル次第ですからね。
- ヒトラーは”人の感情”を理解し、刺激する術を知っていた
- ターゲットのニーズを捉え、言語化する能力に長けていた
- 心理テクニックは使えるが、使う人間のモラルが大事
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Contents
ヒトラー流印象に残るメッセージの作り方
ヒトラーはメッセージを巧みに操り演説やラジオの放送で支持者を獲得していきました。
使っていたテクニックは以下の通り。
- 主張は短い
- 誰でも解りやすい言葉を使う
- 繰り返し繰り返し主張を伝えていく
- 危機感を強調し、敵を明確化する
- 抑揚を付け、メリハリを付けていく
主張は誰にでも解り易く、短いものにします。
ヒトラーのスローガンはズバリ「全ての労働者に職とパンを!」。
「善なる利益は悪によって奪われている。他の国は職もあるし、食べ物もあり平等に生活しているのになぜそれがこの国では当たり前ではないのか?」
これまでの政権運営をヒトラーのスローガンは否定するものであり、当時の人々の過酷な状況を的確に表現して群衆を統一しました。
「なぜ当たり前のことが叶わないのか?敵が邪魔するから苦しい思いをしている」
スローガンを掲げたと同時にそれが達成されない原因は共有の敵がいるからだ!と繰り返し伝えていきました。
「倒すべき相手がいるからこそ、人は結集し、行動する」
政治でも使われるプロパガンダ戦術。共通の敵を明確化し、危機感を煽ることで「その時を倒さなければ平和を取り戻すことはできない」と群衆を駆り立てました。
その平和を取り戻さないと一生このような生活が続き、さらに悪い状況へとなってしまう・・・・。人々の不安は最高潮に達します。
「スローガンで掲げた”未来”と今の”現実”に大きな差を感じることで人は行動をする」
ヒトラーは巧みに人心掌握を計っていき、セルフブランディングをしていきました。
・熱狂した大衆だけが、操縦可能である。
・私は夢想家だといわれた。その夢想家がいなければドイツはどうなっていたか。
・大衆は、小さな嘘より大きな嘘にだまされやすい。なぜなら、彼らは小さな嘘は自分でもつくが、大きな嘘は怖くてつけないからだ。
暗示にように何度も繰り返していく大義名分スローガン
なぜスローガンは短い方が良いのでしょうか
それは大衆が理解しやすい という利点もあるのですが言い続け易いので主張を潜在意識の中に擦り込むことができます。
大切なことは5回以上伝える。
繰り返しも大切ですし、それを言い換えた形でも伝えることでより効果的にすり込めます。
スローガンを大衆にも言わせ、はっきり声に出させることでより潜在意識が刺激されるわけです。
スローガンを作る時のポイント2つは
大衆が望んでいる
人々が結託しなくてはならない理由がある
です。
「全ての労働者に職とパンを」になったのには深い理由がありました。
社会的な意義があり、大義名分がある。ただ利益を得るためだけに設定していないところがミソですね。
- 社会的な意義がある
- 自己中心ではなくて他者中心である
- 誰もが必要としているもの

この3点を意識してスローガンは作っていくとかなり良いものが出来上がっていきますね。
すべてを任務に捧げ。
急速以外は何を望むな。
平和以外は何も望むな。
(軍人に対しての発言)
未来を想像させて”喪失”させる
「全ての労働者に職とパンを!」
職もあり、食料もあったらこんな世界は良いですよね!と何度も繰り返し伝えながらそれが叶った後の世界を勝手に想像させます。
その後に現在の状況を伝えることで、勝手に想像させた未来を”喪失”したような気持ちになりますよね。ココがミソ。
「職もパンもあるって本当に良い世界ですよね。もしこんな世界が訪れたらあなたはどのようなことをしますか?家族とどこへいきますか?こんな世界はありえないように思えますが他国では普通なことです。
それが普通ではない原因は◯◯です。
いまこそ我々は立ち上がり、結集して勝ち取っていきましょう。善を貪る悪に制裁を・・・」
期待値を上げてあげて、そして最後に現実に突き落とす。
「これ以上状況が悪化する前に手を打ちましょう」
この構成を組み立てるのにヒトラーは長けていました。
この心理学的なテクニックは、営業のときにも使えます。
「この商品・サービスはあなたが理想する未来を叶えてくれます。こんな素敵な未来が訪れたら本当に幸せですよね。
でもその未来があなたに訪れない原因は○○です。だからこそいまあなたは苦しい思いをして今す。
これ以上放っておくともっと酷いことになります。だからいまこそ問題を解決していきませんか?」
たった今考えたものなので修正するところはたくさんあるのですが、
未来を見せて、想像してもらい、共通の敵を作り、いまの現状を認識してもらい、感情を揺さぶり、具体的な行動をとってもらう(購入してもらう)
営業トークの構成とこれは非常に似ていると思います。
かなり恐怖心を煽る表現&黄昏時効果
ビジネスでは少し使いにくいのですが、ヒトラーはかなり恐怖心を煽るような表現を繰り返し、大衆操作をしていました。
- 食欲
- 性欲
- 睡眠欲
ヒトラーは人間の3大欲求を言葉巧みに刺激していきました。
この3大欲求が満たされないと人は活動ができません。
これが満たされないことは死に直結していくのです。だからこそ全力で”勝ち”を大衆は望み、結集していきます。
「大衆集会では、孤独で寂しく感じる人間が、はじめて大きな共同体というイメージを受ける。
職場でみじめに感じる一人の人間が、はじめて大衆集会に足を踏み入れ、思いを同じくする者が周りに何千人といれば、何かを探す者として 有無を言わせぬ感激の巨大な効果に、何千もの人々によって引き込まれるならば、新たな教義は正しい、と何千人もの目に見える賛同から裏付けられれば、その時には群集暗示の魔術的影響のもとに置かれているのである。」
引用元:「我が闘争」
ヒトラーの演説はいつも夜ごろ。
人間は疲れている時には他からの影響を受けやすい生き物です。
これを黄昏時効果といい、テクニックを駆使することで心理の奥底に影響を及ぼします。
朝やお昼では活発に脳が働くため、論理的思考が冴えていますが、活動時間が過ぎると認知的能力が下がるためヒトラーはこれを狙っていました。
【政治的戦略】 ヒトラーは、演説の予定時間よりも遅れて到着する。
集まっている聴衆たちの苛立ち、期待がピークに達した時ヒトラーは強烈なスポットライトに照らされ登場する。
この姿は聴衆の目にはには神のように写ったのではないか。
こうしてヒトラーは民衆たちを洗脳して行った。
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誤前提暗示(ダブルバインド)で巧みに誘導
例えば、女性をデートに誘う時にどちらの表現の方がいいと思いますか?
「もしよかったらデートしてませんか」
「今週の土曜日か、日曜日、どちらにデートしますか」
前者の方では回答は「デートするか?しないか?」の二択になりますが、
後者の場合は「土曜日にするか、日曜日にするか?」というデートすることが前提の質問になります。
断られるリスクが少ないのは圧倒的に後者の質問ですよね。
このようにあらかじめ相手の選択肢を絞っていく心理学テクニックを誤前提暗示またはダブルバインドと言います。
ヒトラーの活動に「協力するか?しないか?」ではなくて協力することが前提で話が進んでいきます。
<関連記事>
»話が下手な口下手営業マンが使うべき7つの心理学テクニック
さいごに・・・
このようにみていくとヒトラーはマーケティングやセールスのプロであり、大衆操作に対して徹底的に心理学のテクニックを利用していたことがわかりますよね。
無意識的にコントロールする技術に長けており、集団をいかにして団結させるか?の専門的なテクニックが備わっていたことがわかります。
感情をいかに揺さぶるか
演説では抑揚やメリハリを付けたり、大切なことを言うために1分間程度沈黙したり
落ち着かせて集中して聞いてもらうためにわざと小声にしたり・・・・
人の感情を上に下に、右に左に、動かし人心掌握が巧みでした。
僕はヒトラーを尊敬しているわけでもありません。非常に危険な思想を持った人物であることは間違いないです。
しかしビジネスマンは「この大衆を動かすテクニックや能力」を参考にすることはできるはずです。
包丁と同じように、食べ物を切ることに使う人がほとんどですが、稀にそれで人を傷つけてしまう人もいます。
どんなに効果のあるテクニックだったとしても
それを使う側のモラルがあってはじめて、そのテクニックは生きる
このスタンスでビジネス活動をおこなっていきましょう。
一流のビジネスマンも詐欺師も、見た目と振る舞いは全て一緒。違うのはモラルだけ。