「天才詐欺師のマーケティング心理技術」を徹底的にレビューしていきます。
かくいう僕も過去に詐欺被害にあっているので、実体験者の視点で切っていきたいと思いますw
「信じがたいものを売る秘訣は信用できる斧を売る際にもっと効果を発揮する」と世界的億万長者メーカーであるダンケネディは述べました。
「天才詐欺師のマーケティング心理技術」では実在した詐欺師がどのような考えでマーケティングをやっていたのか?どのような戦略・戦術を行なっていたのか?を解説しています。
大恐慌の時代にジョン・ブリンクリー博士は医療詐欺をはたらき、外科手術と医薬品で推定1000〜2000万ドルという資産を築き上げました。なんと30年以上詐欺行為を続けていたのです。
37年後に逮捕されたわけですが、これだけ長くやっていける能力は確かに凄いとしか言えません。
嘘偽りをあたかも真実のように人々に知らせ、信頼させ、ビジネスを発展させるマーケティング力は凄まじいです。
絶対に悪用しないでください!20世紀前半、ヤギの精巣を移植して勃起障害の治療を商売としたアメリカの伝統的な詐欺師、ブリンクリー博士。
億万長者になった彼の革命的なマーケティングとプロモーションの手法は、現在のビジネスにも大いに役立つものだった。
「信じがたいものを売る秘訣は、信用できるものを売る際にもっと効果を発揮する!」by ダン・S・ケネディ
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Contents
被害者目線からのレビュー
ある意味で詐欺はマーケティングの一種なんです。
実際に買って、手元で試してみない限りは商品・サービスが優れているか?どうかはわかりませんよね。
「天才詐欺師のマーケティング心理技術」ではあらゆるマーケティング手法が語られています。
当時の時代背景を重ねて考慮してみると、「まー、これは騙されるだろうね!」って感じでした。
ブルックリン博士が参入していたビジネスは健康系商材の販売。
健康系はかなりニーズが深く悩みが深く、半ば藁をも掴む思いの人も多いジャンル。
多少宣伝文句が怪しかったとしても「それを信じたい」心理欲求が働くため、被害者はたくさん生まれてしまいました。
天才詐欺師ブルックリン博士はブランディングを徹底的にやっていたため、怪しいイメージを払拭することが上手かったように思われます。
ブリンクリー博士がうまかったのは、「ポジショニングとブランディング」だと思います。
「性的な悩み=ブリンクリー博士の商材」という図式を見込み客の頭に植え付けることに早い段階から成功したため、大恐慌の時代に1000〜2000万ドルの資産形成できたわけです。
医療ジャンルで成功したノウハウを別のジャンルに横展開してさらに儲けていたのでは?と予測もできますよね。
もちろん人を騙すことはだめ。
しかしダンケネディが言ったように、
「信じがたいものを売る秘訣は信用できる斧を売る際にもっと効果を発揮する」ので、どのような視点で詐欺ビジネスをやっていたのか?は学ぶところがあると思います。
詐欺師の凄さ:全部の施策をやる!
「天才詐欺師のマーケティング心理技術」の目次は以下の通り。
- 権威に代わるものなし
- 権威を求める3つの方法
- 行動の人になる
- 構え、撃て、狙え!
- メディアのフル活用
- ビジネスの顔
- 治療ビジネス
- 治療を約束する
- 自信を売る
- 顧客は何を求めているか
- 野心的なメディア戦略
- 大胆さで名声を作る
- 舞台の準備
- 待ちの販売戦略
- 秘密の核心
- 信じたい力
- 社会的証明
- ドラマチックな物語
- 大胆さで惹きつける
- 富の原動力
- 価格戦略
- 価格正当化
- 汝の顧客を知れ
- 自分を知ってもらう
- 並外れた存在になる
- 時と場所の力
- 本領を発揮できる場所
- 逆境をチャンスに
- 野心
- 拳を構えよ
- ポジショニング
- ポジションのコントロール
- 回復力
- 再起する
- 執拗なフォロー
- 閉じたループ
天才詐欺師ブリンクリー博士の凄まじいところは、
参入するべき市場を決め、顧客となるターゲットを定め、信頼させ、メディアでの露出を増やし知名度をあげ、なんどもなんども既存顧客をフォローし利益をあげたところです。
本の目次を見るだけで、マーケティングの必要事項を網羅できます。
ブリンクリー博士は「性的不能治療」に目をつけ、そこからビジネス展開していきました。
人間の3大欲求のひとつである「性的欲求」のジャンルのため、かなり悩みが深い見込み客をターゲットにしていました。
ジャンルの特徴をうまく掴んだ時点で、ブリンクリー博士が成功することは決まっていたのかも知れませんね。
そしてお金になる施策は全てやる。絶えずテストを繰り返しながら、最もよい施策を常に求め続ける姿勢はマーケターには欠かせません。
「天才詐欺師のマーケティング心理技術」の目次は36個ありますが、少なくてもブリンクリー博士が36通りのマーケティングを試したわけです。
マーケターの質は施策の数で決まります。そういった意味でブリンクリー博士は優秀なマーケターだったのです。
ジョン・R・ブリンクリー流マーケティング「21の原則」
ブリンクリー博士のマーケティングは滑り台に例えられます。
見込み客を階段まで連れていき、自力で登らせ、滑らせる。この歪みない流れによって多くの利益を得ることができました。
ブリンクリー博士のマーケティング原則は以下の通りです。
- 権威によって自分をアピールする
- アイデアを行動に変える
- 大胆な自己宣伝
- 思い切った治癒を約束
- 深い意味を売る
- メディアを使って上昇する
- メディアを使って自分を拡張する
- 適切に準備ができた見込み客に売る
- 信じたがっている人々に信じる理由を与える
- とびきりドラマチックな成功例にスポットライを当てる
- 大胆不敵さと壮大な計画ととてつもない約束
- 価格を意味のないものにする
- エリート意識を利用する
- ニュースを作る ーニュースになるー
- 自分のための時と場所を見つける
- 持っているものはなんでも利用する
- 戦う人として称賛される
- 強力なポジショニングを実行する
- 挫折に創造的に対応する
- 執拗なフォローアップ
- システムを完全なものにする
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僕が詐欺師に遭遇した時の話
こちらの動画では本書のレビューをしながら、過去に詐欺師に遭遇した話をしています。
被害にあったことがない人にはわからないような、信じられないような話ですw
読むぶんには面白いが、自分で活かすのは難しいかもしれない
信頼性の獲得や権威性の向上の方法がメインに書かれています。
ただこの本の内容を自社ビジネスの中にどのように組み込むのか?を考えると、微妙と言えるかもしれません。
本の代金分の赤字をどうすれば、黒字化させるのか?を考えないといけません。
天才詐欺師のストーリーは面白く読み物としては良いですが、現代社会では活かしにくいです。
もし心理学に興味がある方は別の本がオススメです。
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正直、ダイレクト出版の書籍はあたりはずれが非常に激しいです。
書籍の値段も通常の3〜4倍程度はするのでハズレを引きたくない方はこちらの記事がお役たちになると思います。
ただ、この本も例に漏れず広告宣伝の文章は秀逸なので、販売ページを見ておくと色々勉強になりますよ。